- Tuesday, December 18, 2007 - 12:00 AM
仔猫探しを始めた。
今まではどれだけ写真を見ても心が動かなかったのに、旦那と二人、すごく気に入った仔猫がいたから。
その仔猫に会いに行くために、時間をかけてロングアイランドまで行った。
結果、わたしたちが会いたかった仔猫は前日に貰われてしまい、会うことが出来なかった。
ホリディの買い物に出掛ける、たくさんの車に紛れながら辿ったその帰り道、事故渋滞に遭った。事故自体はやや大きかったものの、酷いことにはなってないようで、渋滞が起きていたのは、現場を抜けられる車の列が、3本から1本に制限されてしまったためだった。
そんな時、右手から黒いホンダのアコードが現れた。
そのナンバーが「AXL****」。
ニューヨーク州の車両ナンバーは「アルファベット3文字+数字4文字」なので、これは特別なナンバープレートではなく(ニューヨーク州は別料金で「ヴァニティ・ナンバー」という、自分の好みのナンバーを持つことが出来る)、どこにでも存在し得るものではある。
が、「AXL」…というのは初めて見た。
渋滞中でかなり速度が落ちていた状態だったので、当然のことながら、旦那にも教えた。
やっぱり「あれはヴァニティ・ナンバーじゃないよね??」と驚いていた。
「AXLかあ、ちるはまだ仔猫を連れて来たらダメ、って言ってるのかなあ」と旦那が言う。
ちるがまだ許さないので、目的の仔猫に会えなかったんだろう、と。そうなのかも知れない。
でもとにかく、目の前にいる車は、ちるが遣わしたように思えた。
やがて渋滞を抜けた後、その車を目にすることは二度となかった。
その日はおかしな日で、二人とも、普段ならあり得ないような失敗をたくさんした。
普段はひとつを半分ずつで食べているサンドイッチをひとりひとつずつ頼んだ上、クロワッサンまで買ってみたり、今まで一度も間違えたことがないのに、ボトルを取り違えてかけそばのつゆにオリーブオイルを入れたり…。
決してフォロー不可な失敗ではなく、どこかおかしみのある失敗ばかり。
「どうしちゃったんだろうね」とお互いに言いながら、わたしはその日、まるで何かに包まれたまま体が3センチくらい浮いているような気分だった。
そして今日、仔猫を探す施設(ペット・シェルター)へ申込みをした際に、リファレンスを頼んだ友達と電話で話した旦那が、そのナンバープレートの話をしたそうだ。
英語が非常に堪能なかの女は、ちるがERに入っている時にも、わたしたちをたくさん助けてくれた。また、「見えない世界のものが見える人」でもある。
そのかの女いわく、「それ」はちるが、わたしたちが立ち直ったのを見届けて、魂の次のステップへと旅だって行った印…なのだそうだ。
つまり、ちるのお別れの挨拶だった…ということらしい。
かの女もまた、かの女自身に、似たような事象が起きたことがあるという。
そして、ふたりの元に来るべき仔猫には必ず出会えるから…とアドバイスされたそうだ。
「たくさん愛されて、とても幸せに過ごしたから、その子の魂は段階が上がると思うよ。」
…と言われていたちる。
肉体を失った日と同じように良く晴れた綺麗な日、かれは黒い日本車に乗って颯爽と旅立って行った。純日本猫だけあって、やっぱり車は日本車(ちなみにうちの車もホンダ)。
次にまた猫になるのなら、うちにいた時よりもっともっと愛されて、うんとうんと幸せになって欲しい。
もし、人間になるのなら、やりたいことがちゃんとできる健康な体で、かれを愛してくれる家庭に恵まれて、悲しいことがあった時に力になってくれる友達を、ちゃんと作れるようであって欲しい。
出発したちるがこっちを振り返らなくてもいいように、わたしはわたしで生きる。
もう、振り返らなくていいよ、ちる。大丈夫だからね。
最後の最後までありがとう。
一緒にいられて、とっても幸せだったよ。また必ず、会おうね。
















