- Thursday, January 24, 2008 - 12:22 AM
マルちゃんとは言っても、某社のラーメンのことではありません。
うちでマルちゃんと言ったら……ということで、我が家のマルちゃんの話をしましょう。
10日ほど前に話はさかのぼります。
その週末、わたしは今年初のエステートセールに行ってきました。
ご存じの通り、ここは雪国ですゆえ、真冬にエステートセールってのは珍しいんです。
開場は早朝(8〜9時)ですし、開場前には外で待つのが普通なので、30分以上も戸外で待ってたりしたら、天候が悪いと最悪。風邪をひかないまでも、かなり凍えることは間違いなしだからですね。
暖かい季節であれば、戸外で開場待ちしても問題ない…ってわけで、エステートセールやタグセールっていうのは、春〜秋くらいがメインのシーズンなのです。
以前にもお話ししたことがあるかも知れませんが、エステートセールというのは、大まかに二つの種類があります。
ひとつは、家主さんが自分でオーガナイズして自分で売るもの。
もうひとつは、家主さんがエステートセールを仕切るのを専門にしている非営利グループに、手数料を支払って管理を頼むもの。
この場合、全ては仕切り屋によってオーガナイズされています。
家主さん自身が売る場合、手持ちの品の真の価値がわからないために、結構なビンテージに二束三文の値段がついていることなどもしばしばですが、そういう「専門グループ」が仕切る場合には、グループ内にアンティークやビンテージに詳しい人がいることが多く、値付けはかなり正確です。
つまり、ちゃんと市場価格を考慮した値段になっているわけで、価値あるものが「いいんですね、もう返しませんよ」ってな値段で買える、ってことがないんですね。
その代わり、品物はきちんとオーガナイズされ、ある程度の洗浄もしてあるので、ホコリや油にまみれたブツを買わなくてはならない、ということはありません。
また、専門グループが仕切る場合の利点のひとつとして、事前に販売予定の品物の写真をきちんと撮り、オンラインで公開してくれる、というものがあります。
たいていの場合、エステートセールはクラシファイド(三行広告)の文字だけを見て行くことが多いです。
そのため、「アンティーク」「ビンテージ」という言葉につられて行ったものの、全く趣味が合わなくて無駄足だった、というような悲劇が起きます。
が、事前の写真公開で傾向をチェック出来ると、それを避けられるのですね。
アンティーク&ビンテージといっても、そのジャンルは多岐にわたるので、これは重要なポイントなのです。
そして、今回の「真冬のエステートセール」は、専門グループによる仕切りのものでした。
冬場の客足の鈍りを避けるためか、事前にたっぷりと写真が公開されており、わたしと旦那も十二分に検討することが出来たのです。
その中に、わたしと旦那のふたりともが「これは一体…」と思ったブツがありました。
男性が座れるくらいの、大ぶりな木製ロッキングチェアなのですが、これの背もたれに、とっても「異様なもの」がデザインされているのです。
普通、ロッキングチェアといえば、まあ、ホンワカ系のデザインが施してあるものです。
暖炉の前でのんびりと揺らしたりするものですから、そういうものです。
が、そこにあるのは、どう見ても「ファンタジー世界の生物」なのです。
翼を持ったふたつの何かが、お互いに向き合って「くわーーっ」と口を開けている様がレリーフになっているのです。
何なの、この、伯爵様とかの居間に甲冑と一緒に置いてそうなブツは?
が、ブツ自体はどうも古そうなので、仕切り屋がすごい値段をつけていることもあり得ます。
椅子というのはエステートセールにおいてはかなりの人気商品なので、「イイワァ」と思ったら500ドルだった、なんていうのは普通なんです。
しかし、こんな異常な椅子は見たことがない上、わたしの職業には素晴らしくマッチするっていうか、アトリエがますますラチガイなことになって素敵じゃあないでしょうか。置いてみたいと思いませんか。置いてみたいと思いますよね。
とまあ、何ですね、有り体に言えば、一目惚れでした。
なので、旦那と相談し、もしも手が届く範囲だったら、わたしのアトリエに入れよう、ということになりました。
やがて朝が来て当日、普段は何があっても旦那が起こすまで起きないわたしもビッと起床し、厚着をして出掛けました。
小一時間前に着いた甲斐あって、どうやら第一陣で入れそうです(待ち人数が多い場合、入れ替え制がとられます)。
開場後、旦那は一目散に椅子を求め、わたしはこれまた別に狙いをつけておいた皿を求めて別れたのですが、その5分後、旦那は椅子を購入してました。早っ!
非常にグッドプライスだったのです。
ああ、見れば見るほど禍々しい。
こんなロッキングチェア、何を考えてデザインしたんでしょう。もう、我が家に来るために売られていたとしか思えません。こうやって、一目惚れした品物を手にする喜びと来たら、もう。
思わずラチガイな高笑いも出ようというもの。ヒャッハーーーーーーーーーー。
ホクホク顔で帰宅したわたしたちは、丁寧に椅子を掃除した後、木製家具用の天然素材ワックスをたっぷり塗り込んでやりました。
そこで、丹念に背もたれを観察したわたしは、てっきりグリフィンかヒッポグリフだと思いこんでいた「ファンタジー世界の生物」が、そうではないことに気がつきました。
グリフィンかヒッポグリフの場合、鷲の頭部がついているはずです。
グリフィンなら下半身がライオン、ヒッポグリフなら下半身が馬…なのですが、このレリーフはデザイン的に下半身が唐草化しているので、このイキモノは上半身だけになっているのです。
そのため、どちらであるかは判別出来ません。
でも、違うのです。翼はあるんですけど、鳥類の頭じゃないんですね。
どうも、犬か狼です。よく見れば、鼻面には髭の根元まで彫ってあります。
わたしもそれが何であるかは、すぐに思いつかなかったのですが、わたしが「何だろうなあ」と考えつつも些事を片付けている間に、旦那がGoogle先生に質問してました。
結果、Google先生が教えてくださったところによると、これは「マルコシアス」という悪魔だというのです。
グリフィンの翼をもった狼で、尻尾は蛇、翼の中に「炎の氷柱」と呼ばれる必殺の武器を仕込んだ魔界最強の魔獣、それがマルコシアス(またはマルコキアス)です。
しかも、魔界では侯爵様にあたる存在なので、人間の姿を取る時には、光り輝く王冠を被り、黒い顎髭の戦士や貴公子の姿になるんだそうで…。
その昔、ルシフェルに騙されて堕天したので、嘘が大嫌いなんだそうです。
無論、真面目な性格だとか。
……って、それ、わたしの萌えキャラでしょうか?
いつ作りましたっけ?? え???
何、その、黒い顎髭とかって。貴公子とかって。
まさか、わたしがゴーティ・マニアだと知ってての狼藉でしょうか。うわっ。
それはもう、わたしがキャラにしてあげるしかないでしょう。
んでもって、わたしが描いてあげるしかないでしょう。
そんなわけで、我が家にはにわかに「マルちゃんブーム」が巻き起こり、マルちゃんは「あっ」と言う間にキャラとして一本立ちしてしまいました。
しかも、カップリングまでバッチリ成立しています。
これがまた、待ってましたと言わんばかりに合うのですからもう、わたしは無意識界の恐ろしさを、またひとつ体験することになりました。
とにもかくにもこの偶然ぶり、マルちゃんは遣わされた何かとしか思えません。
マルちゃんがどれだけわたしの心をクリーンヒットしたかは、カップリングの相手を知れば一目瞭然です。わたし的には、まさに魔王に生贄を捧げたがごとくのカップリングですね。作者として、最も愛しているキャラをくれてやりましたよ。イッヒッヒ。
そう、Kの字です。
旦那に「もうちょっと早かったら、マルちゃんのモデルをカーン様にしたのにねえ」と言われましたが、カーン様はカミラでいいのです。あれはあれでカワイイですから。
カミラは弁当マニアじゃないですが、結構な天然系(ちょっとラチガイぎみ)です。
マルちゃんのモデルは特に考えていませんが、コーカシアンで紅い目、黒髪黒髭(ゴーティ)…かな。魔獣の人間形態なので、相当に背が高く、体格がいいはずです。
ちょっと見、格闘家か何かに見えるかも。
これがその椅子の写真です。
販売前に公開された時のものです。現状は掃除&ワックス塗りをしたので、もう少し色が濃くなってます。ホコリもちゃんと取りましたから、キレイですよ。

よく見ると、前足と爪がありますね。
でも、これが何のイキモノなのかを見ただけで当てられる人って、そうはいないと思いますよ…。ねぇ。
以上、我が家のマルちゃん・誕生秘話でした。
では、以降は「マルちゃん」といえばラーメンではなく、マルコシアスということで、マルちゃんをよろしくお願いします。
お顔はそのうち、納得行くように描けたらお見せしますね。
いい男なのは、言うまでもありません。
美形しか、描かないっすから。ポリシーっすから。
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