- May 29, 2008 12:28 pm
シェルターでは「シャイボーイ」と言われていたキーやんであったが、実はそうではなかった。
実はキーやん、意外にも強気で、自分の1.5倍は大きいマルちゃんに対し、ヒッシング(シャーっとやること)をする。追ってくるマルちゃんに「しつこいんじゃ!」と言わんばかりにビッチな態度を取ったりもする。
シェルターでは猫をかぶっていたんだろうか…。
キーやんのシェルターでの名前は「ビースト」。
もちろん「野獣」の「ビースト」だ。
その名前にも非常に運命を感じたが、どんな暴れん坊かと思いきや、実際に会ったキーやんはとっても大人しい子だった。
あまりに不思議だったので、命名の理由を尋ねようとしたところ、スタッフが先に説明してくれた。
キーやんは男二人、女二人の兄弟で、野良猫のお母さんから生まれたらしい。
誕生日がハッキリしないことから、恐らくは乳飲み子の状態でお母さんごと保護されたのだろう(キーやんの誕生日は、逆算したところ3月の半ばだったので、覚えやすいよう、カーン様と同じ日に設定した)。シェルターでは既にお母さんからは引き離されており、兄弟だけで集められていた。
その男女ペアが、鼠の国のアニメのキャラで名付けられていたのだ。
つまり「ビースト」は「美女と野獣」から来ている。その相方は「ビューティ」と名付けられており、もう片方のペアは「アラジン」と「ジャスミン」だった。
帰宅中もかなり静かだったキーやんだったので、てっきり怖がっているのだろうと思っていたが、キーやんの本当の性格は、マルちゃんに会った時にわかった。
初日はまだ会わせないように、と言われていたため、キーやんだけを別の部屋に隔離していたのだが、その間中、キーやんはなきまくった。一人で部屋に残されるのは初めての体験だったからだろう(それまでは兄弟が一緒に居た)。
最初はガン無視で昼寝をしていたものの、そのうちにキーやんの声がどうにも気になったらしいマルちゃんは、ドアの前まで様子を見に行った。
その時、ドアが軽く開いてしまい、二人はドア越しにご対面することになったが、やっぱりお互いにヒッシングした。
まあ、これは非常にノーマルな反応なので、別に二人の仲が悪いとかいう問題ではない。
その後、わたしがマルちゃんをだっこし、旦那がキーやんをだっこした状態でスニッフィング(お互いに匂いをかがせること)をしたが、キーやんはヒッシング、マルちゃんは軽く耳を伏せて唸っていた。
しかしながら、わたしに両手を軽く押さえられていたマルちゃんは、唸りはするものの、キーやんを殴ったりしようとはしなかった。
ヤツの筋力と運動神経なら、やろうと思えば間違いなく出来たはずなのに。
なので、恐らく二人は仲良くなれるだろう、と思った。
深夜、それまでを隔離されて過ごしたキーやんの世話をしていたところ、マルちゃんがドアを開けてするりと入って来た。元々、その部屋のドアはしまりが甘いので、隔離中はヒモでドアを固定していたのだが、わたしが中に入った時、そのヒモが解けていたからだ。
こうなってはもう、二人をわざわざ引き離す必要もないので、最悪の時には水入り出来るよう、旦那を呼び、そのまま見守った。
生死に関わるような事態にならない限り、出来るだけ人間は猫対猫の争いに手を出すべきではないそうな。喧嘩に見える争いも、猫同士のコミュニケーションであることが殆どなので、流血の惨事になったら、その時点で割って入る…くらいの心構えでいいらしい。
しばらくお互いにリーチをとり、見つめ合いながらくるくると部屋を移動していた二人だったが、キーやんが一定の距離内(間合いとでも言おうか)にマルちゃんが入るとヒッシングし続けるのに対し、マルちゃんは最初こそ少しだけ唸ったものの、後は非常に落ち着いていた。
毛も逆立っていなければ、尻尾も普通、耳も普通に立っている。
これはつまり、マルちゃんが全く通常の状態である…ということだ。
また、1.5倍の体格差に加え、マルちゃんは手が長くてリーチがあり、筋肉もよく発達しているので、まだまだ三ヶ月程度のキーやんは、マルちゃんが本気を出したら、まず、敵わない。
その体格的な優位性と、わたしたちに「愛されている」という自信が、マルちゃんを支えているようだ。
15分くらいして、マルちゃんはリラックスして床に座り込んだが、キーやんは相変わらず、一定の距離内に近づいてはヒッシングしていた。そのキーやんの尻尾は丸く垂れ下がっており、雌雄はこの時点で決定した。
つまり、マルちゃんが圧倒的に優位。
マルちゃん的には「ここはマルの家やけど、まあ、一緒におってもええよ、自分」くらいの感覚のようだ。
その後もマルちゃんの優位はゆるがず、マルちゃん自身はキーやんが気に入っているようで、後をおいかけてちょっかいを出していた。
その様は、気に入らないから攻撃するというのではなく、遊びたくて仕方ない、という感じ。
キーやん自身は、相手が圧倒的な優位なのが気に入らないのか、一定の距離内に入るとヒッシングするが、マルちゃんは全くめげず、何度でも軽いパンチでキーやんを誘う。
今朝方にはついにプロレスに発展したのを見て、これなら短期間で何とかなりそうだ、と思った。だいたい、うち解けるまでには一週間くらいかかるらしい。
流血の大惨事にはなってないし、マルちゃんは非常に落ち着いているので、たぶんそうはならないはず。実際、今のキーやんが全力でかかっても、マルちゃんの方が圧倒的に強いし。
しかし、どんなにヒッシングされても唸りもせず、マイペースで対処するマルちゃんは、1日でオトナになってしまったように見える。元々「他の猫とも仲良く出来ます」といわれていたマルちゃんだったが、これほどとは。ホントにいい子を貰った。
仲良くなった二人が、猫団子になって寝ているのを見るのが、わたしの夢だ。
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