- Tuesday, March 30, 2010 - 02:25 PM
「スパイスビーム」「スパイシー・カフェガール」深谷陽
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スパイスビーム (ニチブンコミックス) 日本文芸社 2008-02-18 |
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スパイシー・カフェガール 宙出版 2005-05-14 |
見た目は殺し屋か軍人か、はたまたヤクザか、スキンヘッドの大柄なマッチョマン。
かれが作る料理はとにかく絶品、一度食べたら決して忘れられない味。
それをサーブするウェイトレスも、一筋縄ではいかない異国の超絶美女。
路地裏にひっそりとある「チャーン(タイ語で「象」)」は、裏事情がタップリとありそうな不思議なレストラン。
そこに迷い込んだ「仕事を亡くしたばかり&かの女に振られたばかり」の主人公は、マスターの作った料理を味わった衝撃のあまり、いきなり助手として就職してしまう。
調理助手としてレストランに勤め始めたかれが出会う、事件と事情と人々が織りなす世界は、まるでどこか別の国の話にも見える。
この、アクションと南国的お色気と人情が同居する世界に似あうのは、やっぱりタイ料理。
料理とストーリーを絡めた手法は、料理系の漫画ではもう定番の形だが、出てくるタイ料理も、屋台系の比較的メジャーなものばかりなので、味が全く想像できないということはない。
辛い、甘い、塩っぱい、酸っぱい…。
4つの味が複雑に絡み合う美味である、タイ料理を食べた時の衝撃と感覚までが表現として画面に盛り込まれていて、あの味を知っている人なら、思わずタイ料理を食べたくなってしまうこと請け合い。
後発である「スパイスビーム」のプロトタイプと言える「スパイシー・カフェガール」は、マスターのキャラは同じだが、主人公とウェイトレスの女性(そして、レストランの名前)が異なる。
が、ストーリーの流れは同じで、主人公が謎多きレストランで働くようになる、というところから。
こちらは「スパイスビーム」に比べて、ややストーリーが長め&複雑だが、短編映画を見ているようでもあり、この世界が好きな人にはツボにハマるはず。
「スパイスビーム」は、更にストーリーの完成度を高めた感じで、全体に細かい気配りがあり、一話完結ながら、より丁寧な作りになっている。
最後が少し駆け足だけれども、おまけで一応のオチがついているので、読後感は悪くない。
そもそも、南国を描くことにおいては、その筆力に定評がある深谷さんのこと、料理の描写を始め、人種の描き分けまで、非常に丁寧な画面が楽しめる。
気が向いたときにサッと手にとって楽しめる気軽さと、屋台風のひと皿盛のタイ料理の雰囲気が、よくマッチしていると思う。
「スパイスビーム」巻末のおまけ漫画についているレシピはかなり使えるので、自作をする方はぜひ作ることをおすすめ!
特に、パッタイ(タイ風五目焼きそば)は、驚きの味。
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